短歌
もう12月 両手に吐く息白く
子供が音立て踏む霜柱
寝て起きて寝て起きて寝て起きて寝て
起きて寝て起きて寝てまた起きる
雲ひとつ無い青空を見上げても
いつも心は土砂降りの雨
人それぞれの休日の過ごし方
休み方にも十人十色
ひとりきりAMラジオを聴いている
ひとりぼっちじゃない気になれる
両の手で持ったカップのあたたかさ
唇に触れるミルクのあつさ
したいこと やりたくないこと すべきこと
クシャクシャにして ゴミ箱に捨てた
ひとしきり夏を騒いだ蝉たちも
消えてくときは音も立てずに
誰ですか あなたはどこの 誰ですか
鏡の自分が問いかけてくる
いい加減 新しい靴を買わないと
靴下にまで 氷雨が沁みる
傘をさすほどの雨ではないけれど
顔を隠して歩きたいから
生きて死ぬ ただそれだけの 単純な
作業もろくに できぬ不良品
木々はなぜ寒い季節に裸になるの
最後の一枚葉っぱが落ちた
砂が落ちるまでのこの3分間は
制限付きの確かな自由
お月さま 今日はまんまるお月さま
夜空にぽっかり光の穴が