尊い
何も考えないこと。
それはとでも尊いことである。
故に動物は尊い。植物は尊い。
人間だけがあれやこれやと考えを巡らせて余計なことにあれやこれやと手を出し続ける。
人間にあるのは知性ではない。好奇心である。
知性があるのならば、文明・科学の進歩をある時点でストップすることができたはずである。
しかし人間が持っていたのは知性ではなく好奇心。好奇心には限界がない。好奇心を止めるものは恐怖心だけ。その恐怖心は過去のデータでしかない。ここまで進歩する必要は果たして本当にあったのだろうか。誰しもがよりラクに、より早く、より大量に、より便利に、、、といつた願望を持っている。そしてそれが人類全体が持つ願望でもあり文明の進歩をここまで推し進めてきた。どこかで歯止めをきかせるときがいずれくる。そうでなければこの星の寿命をどんどん縮めていくだろう。人間は愚かだ。
動物はただ生きている。
この"ただ生きている"という生き方がどれだけ素晴らしいか。どれだけ尊いことか。
ただ生きるだけ。余計なことは何もしない。
暇に耐えることができる。動物は偉大だ。
動物のように、植物のように、昆虫のように、
ただ生きるだけの生き方がしたい。
石ころのように、ただそこに在るだけの在り方でいたい。